昨日、令和5年度の全国の路線価(相続税路線価)が発表され、ニュースや新聞記事で話題になっています。
そもそも、毎年公表されるこの路線価。
今回、この路線価は一体何なのかをご説明します。
路線価って何?
路線価=相続税路線価を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、そもそも、路線価と呼ばれるものには相続税路線価と固定資産税路線価があります。
相続税路線価
国税庁が発表する相続税路線価は、市街地の道路(路線)ごとに価格(路線価)を設定し、この価格が土地の相続税評価額等の指標となります。相続税路線価は、発表の年の1月1日時点の価格が毎年7月に発表され、国税庁のサイトから調べることができます。
固定資産税路線価
各市町村が発表する固定資産税路線価は、相続税と同じく道路(路線)ごとに価格(路線価)を設定し、この価格が土地の固定資産税評価額の指標となります。固定資産税路線価は、発表の年の1月1日時点の価格が3月~4月頃に3年に1回発表され、一般財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップから調べることができます。
全国地価マップ
https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216
なお、全国地価マップでは、相続税路線価を調べることもできますが、各路線価等の発表からややタイムラグがありますので注意が必要です。
路線価の価格水準
土地の公的価格と呼ばれる価格指標には、相続税路線価や固定資産税路線価のほかに、国土交通省が実施している地価公示における公示価格や各都道府県が実施している地価調査における調査価格があります。
一般の土地取引の価格指標と位置付けられる地価公示や地価調査における公示価格等は、土地の実勢価格水準を表しているといわれますが、相続税路線価は公示価格等の8割程度となるように設定され、固定資産税路線価は公示価格等の7割程度となるように設定されています。
つまり、相続税路線価や固定資産税路線価を用いれば路線価が敷設されている街路周辺の土地の実勢価格水準を把握することができるんですね。
相続税路線価 ÷ 0.8 = 実勢価格水準
固定資産税路線価 ÷ 0.7 = 実勢価格水準
さらに、相続税路線価については、郊外等では路線価が敷設されていない地域がありますが、そういった地域においても固定資産税路線価が敷設されているケースがあり、相続税路線価の代わりに固定資産税路線価を用いて実勢価格水準を把握することも可能でます。
相続税路線価(路線価図)の見方
国税庁のサイト から、所在地を選択していくと路線価図が表示されます。路線価図にはさまざまな情報が表示されていますが、ここでは相続税路線価の見方をご説明します。
路線価図には、1㎡あたりの路線価が千円単位で表示され、対象物件が所在する前面道路(路線)上に表示されている数字を読み取ることにより、路線価を把握できることができます。
下の路線価でいうと・・・
13,160→13,160,000円/㎡
相続税路線価 ÷ 0.8 = 実勢価格水準
13,160,000円/㎡ ÷ 0.8 ≒ 16,450,000円/㎡
路線価は地域の標準的な画地の価格を表示していますので、本来であれば、路線価から対象物件の価格を査定するためには、接道条件や敷地の形状、地勢や規模等による各種補正を行う必要がありますが、地域の価格水準を把握する程度であれば、路線価を基に実勢価格水準を求めることができます。
どうですか?相続税路線価の発表が毎年楽しみになってきませんか??
路線価から実勢価格水準が求められないケースも多々ありますので、そのあたりはまた別の機会にご説明したいと思います。