大阪のメインストリート「御堂筋」に面する寺院(南御堂)が固定資産税額の取り消しを大阪市に求めた訴訟の判決が6月29日に大阪高等裁判所でありました。

    通常、宗教法人の境内地は固定資産税が非課税とされていますが、従来から御堂筋周辺では、宗教法人が敷地を賃貸して地代収入を得ているケースがありました。従来のケースでは、宗教施設以外の用途(オフィス等)として利用されていたため、それぞれの利用実態に応じて固定資産税が課税されていたものと推定されます。

    南御堂では、2019年に山門(寺院の正門)と一体となった山門一体型複合施設ビルが開業しましたが、ホテル所有者へ境内地を賃貸し、下層階の空洞部分を山門として利用しました。

南御堂の山門と一体。
他ではできない体験をここで。

    大阪エクセルホテル東急のホームページの施設案内によると、このようなコンセプトが記載されており、日本初の寺院の山門と一体になったホテルに泊まり、ホテル越しに400年以上の歴史ある南御堂(真宗大谷派難波別院)の本堂を眺めることができるようです。


■山門一体型複合施設ビル
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出典:南御堂・真宗大谷派難波別院HP
    このような山門一体型複合施設ビルについて、大阪市は山門の土地を含めた1万㎡あまりをホテルの収益事業用地と判断し、2020年度に3億1,800万円の固定資産税を課税しました
   
    訴訟では、下層階の空洞部分を山門として利用している開口部を境内地として非課税とするか、収益事業用地地とするかが争われました。

    一審では、開口部についても収益事業にあたると認定して、南御堂側の訴えを棄却しましたが、大阪高裁では、課税対象の建物が存する空間とそれ以外の参道としての空間が混在しているとして、土地の全てを収益事業とした市の判断を否定して、2020年度の課税額のうち、約480万円を取り消す判決を下しました。

    この判決については、市の課税対象のうち、参道に相当する部分を除外した合理的な判断がなされたかと思いますが、低層階の山門部分よりも上層部分については、ホテル等の収益事業として利用されているため、このような立体利用について当該判決がどのように整理しているかがカギとなっていると思います。

    この点については、続報が入り次第配信します。