前回の不動産競売ってナニ?では、不動産競売の流れを簡単にご説明しましたが、今回は、競売物件がなぜ安いといわれているのかについて、ご説明したいと思います。
前回、不動産競売とは、執行裁判所による不動産を強制的に売却してお金に変えられる仕組みで、民間が実施する競売(オークション)や任意売却等と異なって一定の強制力を持っていることが特徴といえるとご説明しました。
一般の不動産取引と不動産競売の違い
一般の不動産取引市場においては、通常、宅地建物取引業者が介在して取引が行われ、売買契約に際しての重要事項説明や契約不適合責任等によって、買主の保護が図られることが一般的です。
一方、不動産競売においては、競売の対象となる不動産(以下、「競売不動産」という)の債務者や暴力団員等を除いて原則として誰でも競売手続に参加することが可能ですが、裁判所は競売手続を実施するのみで、競売不動産に関して一切責任を負わず、競売不動産の買受人(買主)を特別に保護する規定等もありません。